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ミュータンス菌感染予防シンポジウム 2005/6/2 六本木アカデミーヒルズ40
基調講演
「母子の関係に特化したキシリトールプログラムによる家庭内でのカリエス予防」
Kauko K.Makinen(フィンランド トゥルク大学歯学部名誉教授)
■キシリトールは天然の甘味料


キシリトールは体内でも生成される→1日5〜10g 特に肝臓の細胞内で生成
キシリトールを製品として作るには、含有量の多いものを見つけてきて作らなくてはいけない。
そこで・・・
樺の木ー(抽出)→キシランー(加水分解)→キシロールー(水素添加)→キシリトールー(精製)→結晶性キシリトール(砂糖くらいの甘さ)
■予防プラグラムのターゲットグループ
1、高齢者
2、乳幼児
3、甘いものが大好きな人
4、カリエス活性が高い患者
5、シュレーグン症候群の患者(唾液腺が機能しない)
6、ドライマウスの患者
7、多剤服用者(薬剤で唾液分泌が低下するとわかっているもの)
8、スポーツ選手(スポーツドリンクをよく飲む)
9、ある種の職業についている人(パン屋さん お菓子やさん)
10、矯正治療中の患者
11、軍隊である種の兵役についている人(フィンランドでは15年前から、アメリカでははじまったばかり)
12、妊婦及び乳幼児の母親
■キシリトールの送達メカニズム(デリバリーメカニズム)
1、ガム *理想的(安全 化学的機械的刺激が加わり唾液分泌がおこる)
2、タブレット 可溶性
この2つを重要視
3、歯磨剤 メカニカルな効果 一日2回で効果あり 量が十分でない 補助的
4、マウスウォッシュ カロリーなし まだデータ治験なし
5、おしゃぶり(フィンランドで研究中) 徐放性(スロー)なので長期効果が見込める
おしゃぶりのポケット状の穴にタブレットを入れる→唾液で溶け出す
まだ市販されていない
トゥルク大学とメーカーで研究中(デザインは矯正のドクターも関与 顎骨の成長にも影響するため)
6、局所塗布(市販されていない) 早期予防 キシリトールの液を歯に綿棒、歯ブラシで塗布する ドリンクもあり
■母親に伝えるべきこと →不必要な細菌伝播を避けることができる
◇母親の口で汚染したスプーンを48時間培養すると、染色液でミュータンス菌コロニーが青い斑点で見られる。
→すべての母親の口腔内にミュータンス菌がいる。
◇おしゃぶりは乳幼児の口腔内にミュータンス菌を運ぶ媒体のひとつ。
おしゃぶりも、培養するとミュータンス菌のコロニーが見られる。
◇おしゃぶりを子供にわたす前に母親は自分の口で濡らすべきではない。
◇母親はホ乳瓶の湯温を確かめるために口をつけない。自分の手の甲に出して確かめる。
■乳幼児の口腔内でいつ細菌はコロニーを形成するか
◇ラクトバチス菌、サリバリス菌、サングィス菌は、生後数週間、かなり早い時期に存在。
◇ミュータンス菌は、歯の萌出と同時期にハイドロキシアパタイト表面に付着する。
唾液があっても、ミュータンス菌はエナメル質に付着する。
◇ミュータンス菌は通常12ヶ月齢以降から増加。
◇3歳くらいになるとミュータンス菌の数が安定する。
■ミュータンス菌の感染の窓 caufieldの概念

◇前提条件=歯の萌出 最初の歯は6.8±1.4ヶ月で萌出
◇感染の窓が開くのは、生後19ヶ月〜33ヶ月 一度開いた窓は閉じることがない
う蝕感染時のピークは通常26ヶ月
*ただしう蝕感染はそれよりあとの年齢においてもおきうる
最低でも最初の乳歯萌出から予防をはじめるべき
■乳幼児はいつどのように感染するか
◇基本、前提条件は歯面の存在。感染するにはハイドロキシアパタイトが必要。
◇ミュータンス菌をたくさん保菌している人(母親)と密接、継続的に接触して生活していること。
◇母子のミュータンス菌の血清型は著しく似ている。
◇感染が早ければ早いほどう蝕になるリスクが高まる。
■う蝕の発生防止
◇歯科医師、歯科衛生士によるカウンセリング。よい口腔衛生の実践を指導。
◇クロルヘキシジン、グルコン酸(ヒビテン)など細菌抑制物質を使う。フノランも効果あり(海草から抽出した物質)。
◇キシリトールの使用を家族全員で習慣化。
◇歯が萌出したらキシリトールを塗布(母が子どもに塗布)=改訂版母子プログラム(まだ使用段階には至っていない)
■フィンランドの母子プログラムレビュー
◇出産後3〜24ヶ月 母親がキシリトールガムを1日4回(6〜7g/日)噛む。
◇母親はフッ素バーニッシュ(22000ppm)を年2回塗布。
◇キシリトールは乳幼児には与えなかった。
◇臨床的、微生物的フォローアップは毎年行われた。
その結果
5歳児 修復治療の必要性が対照群と比較して70%低い。
6歳児 ミュータンス菌数が有意に低い。
10歳児 う蝕の数が有意に低い。